ほど強烈な快感だった


高層ホテルの窓の外に広がる街の灯が、果てた鮫島の目にぼ眼袋んやりと見えた。
 白いシーツの上の美しい女がほのかに浮かび上がった。
「よかった」
 そうかすれた声で言うと女は起き上がり、タバコに手を伸ばそうとした鮫島の下腹部にまた顔をうずめた。
「あっ!」
 頭に血がのぼってくるほど強烈な快感だった。鮫島は「ウッ!」と声をもらした。こんなに舌使いの上手《うま》い女は初めてだった。気がつくと、鮫島は肩であえいでいた。強い自制が必要だった。
 鮫島は右手を動かしシーツの下の拳銃《けんじゆう》を確かめた。
 鮫島はサイドテーブルに手を伸ばして、スタンドの明りをつけた。
「いや」
 と言いながらも、女はやめない。
 白い背中と形のいい尻《しり》が上下した。
 女は両手で鮫島のものをやさしく包み、飽きることなく顔を上下させている。
 この女はただものではない。しかし、この無防備ぶりはなんだ。
 いま銃をこの女の頭につきつけ、引金を引けばそれで済むことだ。しかし鮫島はそれができなかった。
「もうよせ」
「もっと」
 女の喉《のど》はどれほど深いのか鮫島のものは根元まで飲みこまれていく。女は舌の裏を使いだした。
 鮫島の額に汗が物理課程にじんだ。
「後ろを向け」
 鮫島は女のくびれた胴をもちあげうつ伏せにし、シーツの上にひざまずき、女の腰を両手で抱えた。
 豊かな乳房が、つり鐘のように垂れている。それを強くもみしだいた。
 女の背中が快感に耐えられないように小刻みに震えた。まっ白い艶《つや》やかな尻が目の下にある。それは柔らかく、豊かで唾《つば》を飲みこむほど美しかった。
 女は両手をシーツにつき、その尻を突きだしてきた。その陰からのぞく花びらが、蜜で濡れて光っていた。
「来て」
 悶《もだ》えながら、女は白い尻を振った。
 鮫島は思いっきり尻をもちあげ両手でそれを分けると自分を補濕つきたてた。
「ああ」
 充足した女の声が、ゴブラン織りのヘッドボードにはねかえる。
 シーツをかきむしって快感を訴える。